電信創業の地 その2

「電信」といいますと、歴史の受験では「郵便」ほどではないにせよ、案外重要な単語です。

世界史ではまずこれが基礎知識。というわけで、今回は問題から行ってみましょう。

イタリアの【     】は、大西洋間での無線電信の交信に成功した。

答:マルコーニ ※ドラッグして反転

19世紀の欧米文化史でよく問われる人名です。同じタイミングで電話のグラハム・ベルがいるので、ごちゃまぜにしないように注意。

日本史だと同時代の文化史、技術系で一番狙われやすいのはまず鉄道、継いで前島密と郵便事業だと思いますが、『日本史B用語集』(山川出版社)ですと、「電信」の項目は「郵便」と同じ重要性で、「電話」よりはかなり高くなっています。

これだけであんまり冴えない感じの記念碑の割には(高校の学習では)かなり重要なものだということが分かりますね。この項目で覚えるべきポイントは次の通り。

      1869年に東京・横浜間に電信線が架設されて公衆電報の取扱いを開始。
      最初は工部省、1885年から逓信省の管轄。
      1900年に無線電信が開始。
      1871年には長崎・上海間に海底電線が開通。

ちなみに海底電線に関しては、欧米列強の世界進出によって各地域に敷設されました。最初は1850年、英・ドーバーと仏・カレー間です。日本もその約20年後に導入ですから、かなり早いですね。より詳しくはWikiが便利です。

それから、横浜は「電信創業の地」であって、「電信発祥の地」ではありません。 日本ではじめて電信を使ったのは佐久間象山で、彼が仕えていた松代真田藩の領内で実験に成功した、とされています。記念碑もあるそうですよ。

次は横浜の電信創業にまつわる四方山話をまとめます。