S&T式 参考書・問題集レビュー, 古文・漢文 , Leave a comment
S&T式 参考書・問題集レビュー

【漢文基礎力養成のために】

本書は、河合塾出版から発売されている、解説、ドリル、演習が一体となった、非常に扱いやすい簡単な参考書兼問題集です。判が大きく、文字も見やすいので、漢字がずらりと並ぶ漢文に対してアレルギー気味な方でも、やる気を出せるのではないでしょうか。解答・解説は別冊として分離できるようになっており、内容も充実しています。
初学者、あるいは「学校の漢文の授業をほとんど理解できていない」という方、さらには「演習問題を解くと、どうしても点数が一定しない」という基礎力に不安がある方には、好適な一冊となります。

【一から丁寧に】

全10章からなる本書の基本的な構造は、次の通りです。

  • 解説文
  • ドリル
  • 基本問題(無い章もある)
  • 練習問題

まず解説文を読み、その章で学ぶ内容について基本的な知識の習得、確認を行ないます。続いて、ドリルを使って、解説文の内容を実際に問題を解いてみることで理解していきます。ドリルで間違った場合には、すぐに解説文、あるいは解答の解説を見て、なぜ間違ったのか確認します。
しっかり覚えられた、と思ったら、基本問題、練習問題と進み、実戦演習を通じて知識の確実な定着を目指します。
章立ては、いきなり受験の核心的なポイントに入るのではなく、「漢文はどういう構造になっているのか」という、漢文学習の一番最初から始まっているため、初学者が買ってみたものの持て余してしまう、というケースは少ないと思われます。

【2週間で突破を目指す】

実際に漢文に挑む方が、本書を通読すると、その内容の少なさに驚かれるかもしれませんが、編著者は、本書を一通り解くことで、高校で学ぶ漢文の内容がほぼ習得できることを目的に作成した、としています。つまり、それだけ漢文の必須知識は多くはない、ということなのです。それが実感できると言う点でも、本書は優れていると言えます。
ただし、勿論のことですが、本書のみで難関大学の漢文問題に挑むことは困難です。次のステップとして目的に応じた実戦演習を重ね、読解力を高めていく必要があります。そのためにも、本書は十分に1日1章は解けると思いますから、最低でも2週間以内に一通り終わらせ、実戦演習段階に入りたいものです。その後は、基礎力確認用の手引きとして、時間の空いたときに通読するなどして活用できるでしょう。

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